転勤などで自宅の賃貸をお考えのあなたに
家を長期的に留守にしてしまうが手放したくない、そんなとき家を貸し出すという選択肢があります
転勤などで家を空けなければならないあなたへ
転勤などで長い間家を空けなければならないとなったとき、自宅を売却するだけではなく、賃貸するという選択肢もあります。
いつか、また家に戻ってくるかもしれないから手放したくないという方でも、賃貸をすることで収益化しながら空家にすることなく維持することができます。
自宅を賃貸に出すことのメリット
自宅を賃貸に出すことの最大のメリットは、家賃収入を得られることです。
維持費や税金などを差し引くと家賃がそのまま所得となるとは言えませんが、ある程度の収入は見込めるでしょう。
また、将来その家に戻って住むという選択肢も保つことができます。
また、今後住むことはないと確定した時、売却してまとまった収入を得ることも可能です。
自宅を貸すための注意点
家賃収入ゼロのリスク
入居者が決まらなければもちろん家賃収入はありません。
その物件の住宅ローンを完済している人や、ローンを組んでいない人は問題ありません。
一方で家賃収入をローン返済に充てるとき、入居者が見つからない間は自分の貯蓄や給与などをローン返済に回すことになります。
転居先の新居にお金がかかる人は二重に住居費がかかることになります。
また、部屋が空室でも維持・管理の費用は発生していることも忘れずに。
建物と土地には毎年、固定資産税がかかり、さらにマンションでは管理費と修繕積立金が毎月かかるため、早期に入居者が見つからなければ売却という選択も考えなければなりません。
建物や設備が劣化・故障するリスク
建物は時間とともに劣化していきます。
また、多くの住宅設備は耐久年数が十数年ほどですので、いつかは故障や素材の劣化、性能・機能の低下が生じるでしょう。
建物の劣化や故障を修繕する費用は貸主の負担になります。
想定されている耐用年数よりずっと早く故障してしまうこともあるので、賃貸に出す前に劣化している箇所がないかを調べる必要があります。
家賃の設定額が減少するリスク
年数が経って建物が古くなれば、その分、賃貸物件としての魅力が減少しがちに。
そのため、家賃を減額しないと入居者が決まらなくなる場合が考えられます。
また、周辺環境の変化や賃貸物件の供給数の変化、入居者ニーズの変化などによって賃貸相場が変動して、家賃を値下げせざるを得なくなることもあります。
例えば、郊外のファミリータイプ物件を所有していたとして、周辺に似たような賃貸物件が増えることになれば、家賃相場が下落してしまうケースもあります。
入居者トラブルのリスク
入居者が家賃を滞納する、騒音やゴミ出しなどで近隣に迷惑をかける、退去時に原状回復費用でもめるなど、入居者とのトラブルが発生する可能性があります。
賃貸経営は相手あってこその商売ですから、そうした心構えも必要です。
災害リスク
地震、台風、水害などで建物に被害が及ぶことも考えられます。
修理する場合は費用がかかるし、被害内容によっては、賃貸物件として維持できない状態になることも。
賃貸経営は、これらのリスクがあることを認識した上で、予定外のトラブルなどに対しての心構えを持ち、対処できる術を考え備えておかなければなりません。
自宅を賃貸に出すまでの流れ
賃料の査定を依頼する
住まいを貸すと決めたら、いくら程度で貸せそうかの目安を立てます。
まずは、住まいの周辺の募集賃料を知ることから始めるとよいでしょう。
住まいを貸すと、賃料が収入として入ってきますが、税金や管理費などの支出も考慮する必要があります。
おおむねの収入と支出がどのようなバランスになるのかを試算し、賃料の査定を依頼します。
賃貸条件を決定し、入居者を募集する
住まいを貸すには、入居者を募集し、入居後の管理(賃料の授受、入居者の苦情対応、物件の清掃など)を行っていく必要があります。
これらを自ら行うことができない場合には、不動産会社へ依頼することになります。
入居者の募集を依頼する場合は仲介業務を、入居後の管理を依頼する場合は管理業務を不動産会社に依頼します。
賃料や契約期間など、募集に当たっての賃貸条件を決定し、入居者を募集します。
不動産会社に仲介業務を依頼した場合は、不動産会社と相談しながら賃貸条件を決定し、貸主と不動産会社が合意した方法(インターネットや情報誌への掲載など)によって募集活動を行います。
入居希望者への対応・条件交渉を行い、賃貸借契約を結ぶ
入居希望者からの問い合わせや物件見学に対応します。
その他、入居希望者との条件交渉なども行います。不動産会社に仲介を依頼している場合には、これらの業務を不動産会社が行います。
貸主は入居申込者の審査をし、最終的な入居者を決定します。その後、入居者と賃貸借契約を結ぶことになります。
不動産会社に仲介を依頼している場合は、不動産会社が入居者審査や契約手続きをサポートします。
入居後の管理の対応をする
契約を結んで入居した後は、入居者からの賃料の受け入れ、入居者の苦情対応、物件の清掃などの管理を行います。
また、契約期間が終了したときの契約更新や退去手続き、退去後の入居者の募集などにも対応しなければいけません。
不動産業者に管理業務を委託した場合は、これらの業務を不動産業者が行います。
なお、住まいを貸すことで、家賃収入を得た場合には、確定申告も必要です。